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ストレスを受けた高分子フィルムやゲルが壊れる前に色で検知する

伸縮性のあるフィルムやゲルは、ウェアラブル電子機器、ソフトロボット、生体適合性組織の実現に役立っている。しかし、これらのポリマーは、力をかけすぎると、警告なしに分解してしまうことがある。Journal of the American Chemical Society』誌に掲載された研究者らは、手遅れになる前にストレスを検知するために、これらの材料が伸びたりつぶれたりすると色が変わる「翼」を持つ化合物を設計したことを明らかにした。

プラスチックフィルムや高分子ゲル(液体を充填した柔らかい3次元ネットワーク)は、曲げたり、伸ばしたり、圧縮したりすることができる。また、ほとんどのポリマーフィルムは引っ張りすぎると切れてしまうだけだが、多くのゲルはあまり強くなく、比較的小さな圧力で割れてしまう。 しかし、スポンジ状の材料がどの程度丈夫になるかを予測する方法はまだない。



これまでの研究で、斉藤祥平らは、フラッピング分子(FLAP)フォースプローブと呼ばれるV字型の分子を開発した。FLAPは羽のような2つの側面構造を持っており、圧力をかけると平らになり、青から緑への蛍光色の変化を引き起こす。このプローブは、ポリウレタンフィルムに組み込むと期待通りに機能したが、液体を染み込ませた高分子ゲルに加えると、外力を加えなくても自然に蛍光緑色に変化した。そこで、齋藤と山角卓也は、FLAP分子を改良し、高分子ゲルとフィルムの両方で機械的応力を正確に検出できるようにすることを目指した。



研究チームは、アントラセンイミドの翼をピレンイミドに置き換え、柔軟な中央のシクロオクタテトラエン接合部の反対側に取り付けることで、以前のバージョンに改良を加えた。このプローブをポリマーフィルムに加え、延伸すると、プローブの蛍光が青から緑に強く変化することがわかった。また、肉眼で見える色の変化も生じた。



次に、有機溶媒に浸したポリウレタンゲルに新しいFLAPプローブを組み込み、青く光る黄色い円筒を作り、それを圧縮した。すると、圧力をかけるほど円柱の蛍光が緑色に変化した。最後の実験では、ゲルの長方形のブロックに金属製の文字「F-L-A-P」を配置した。緑と青の蛍光比のマップから、それぞれの文字が下のゲルにかけた圧力を計算したところ、0~1MPaの範囲であった。研究者らは、この研究が、より強靭なゲル材料や細胞膜のナノスケール張力プローブの開発に役立つと述べている。


科学技術振興機構さきがけ(FRONTIER)、科学技術振興機構FOREST、日本学術振興会科研費、日本学術振興会フェローシップ、井上科学振興財団、東レ科学振興会からの助成に謝意を表します。



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[This is automatically translated from English]


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