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レアメタルに頼らず、より長く、より強く光る新しい有機材料

レアメタルを使用せずに、標識や時計によく使われる暗闇で光る効果を、より幅広い用途に応用できるよう、科学が一歩近づいたようです。


九州大学と沖縄科学技術大学院大学(OIST)の研究者らは、炭素ベースの有機分子を組み合わせる新しい方法を用いて、この汎用性の高い材料が発する光の長さと強さを劇的に向上させることに成功したのです。 Nature Materials』誌の論文で報告されているように、この新しい有機材料は、レアメタルを含む同種の材料よりも簡単に塗料や繊維に加工できる可能性があります。


今回の研究は、同じ研究グループが2017年に発見した、金属を含まない2つの分子を溶かし合わせて室温でグローインザダーク効果を生み出す世界初の有機システムを基盤にしています。 正式には持続性発光と呼ばれるグローインザダーク現象は、しばしば燐光とも呼ばれますが、この用語は有機材料によく見られる別の発光機構にも適用されます。


希土類金属を含む無機化合物をベースにした市販の白色光源は、すでに優れた性能を発揮しているが、無機物であるため加工に制約がある場合が多い。


「有機材料は、レアメタルを含む無機材料よりも入手しやすく、溶解性が高いため加工も容易です」と九州大学の安達千波矢教授(研究代表者)は説明する。「有機物は、インクやフィルム、繊維などの蓄光材料の新しい用途に加え、将来的にはバイオイメージングへの応用も可能になると期待しています」と説明する。


しかし、2017年に開発した有機材料からの発光の長さや強さは無機材料の100分の1程度にとどまり、酸素の存在下ですぐに発光が消えてしまうという結果になりました。



OISTの研究リーダーである加部良太助教は、「今回、設計方針を変更することで、有機持続発光の性能を前回の報告よりも約10倍向上させることに成功しました」と述べています。


発光の仕組みの中心は、光を吸収することで負電荷の電子がより高いエネルギーの状態に励起されることである。励起された電子が残した「穴」を埋めるために、近くのドナー分子からエネルギーの低い電子が移動すると、一方の分子は通常より1個多く、他方は1個少ない電子を持つことになる。この状態は電荷移動状態と呼ばれる。

この状態を電荷移動状態という。励起された電子が、電子を失った分子に戻り、余分なエネルギーを光として放出するのが発光である。そこで、発光を持続させるためには、電荷を分子間でホッピングさせて分離させ、最終的に戻ってくるのを遅らせることが重要である。


今回の研究では、電子ではなく、励起された電子が残した空隙である正孔が、分子間をホップするような材料の組み合わせを選んだ。正孔は一般に安定で酸素との反応性が低いため、励起電子が移動するこれまでの材料と比べ、空気中での発光時間が非常に長くなった。


また、より低いエネルギーの光で励起できる吸収体を採用することで、紫外光だけでなく緑色光、さらにはオレンジ色の光でも通電できるようになった。 さらに、正孔を捕捉する第3の有機材料を加えることで、正孔の帰還を遅らせ、発光時間を長くし、エネルギー貯蔵状態をさらに安定化させることに成功した。



「今回、大気環境下での長時間の発光に成功しました」と加部はコメントする。"性能はまだ無機材料に劣りますが、今後の研究により無機材料を超える性能を達成したいと考えています。"


また、本研究で開発された有機材料が、レアメタルを必要としない持続可能な産業の拡大・多様化に貢献することを期待しています。


"有機電荷移動材料を精密に制御することで、暗闇で光る用途だけでなく、有機LEDやレーザーなど、様々な発光特性を発現できることが何度も分かってきました。今後、さらに科学を深化させることで、新たな可能性が生まれることを期待しています」と足立は語っている。


詳しくはこちらへ。


[This is automatically translated from English]

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